Objective-C案件の仕事内容
Objective-C案件は、iOSアプリの新規開発よりも、既存アプリの運用・保守や機能追加、改修にObjective-Cが残っているケースが目立ちます。Swift中心の体制でも「一部Objective-Cあり」とされ、移行途中のコードベースを扱う場面が多いのが特徴です。
業務は詳細設計から実装、単体・結合テスト、リリース後の不具合調査まで一連を任されやすく、リファクタリングや技術的負債の解消もテーマになりやすい傾向です。動画配信、マッチング、金融、予約管理、POSなど、toC向けの大規模アプリや業務端末向け(iPad)でも登場します。
また、PdMやデザイナーと仕様・UI/UXを詰めたり、オフショア成果物のコードレビューや品質改善に関わったりと、実装だけに閉じない案件も見られます。加えて、SDK開発(広告SDKや社内SDK)では、クライアント企業への技術サポートや要件整理まで含むことがあります。
Objective-C案件で求められる必須スキル
必須として最も中心になるのは、Objective-Cを用いたiOSネイティブアプリ開発経験です。案件によってはSwiftと両方の経験が求められ、既存Objective-Cコードの読解・改修をしつつ、機能追加や不具合修正を自走して進められることが重視されやすいです。
あわせて、HTTP通信やREST API、JSONなどのWeb IFの理解が必須になりやすく、API連携を前提にした画面実装・データ処理の経験が求められます。StoryboardやAutoLayoutなどUIKitベースのUI実装を前提とする案件もあり、設計書を読みながら実装・試験まで対応できる基礎体力が必要です。
チーム開発ではGit(GitHub等)を用いたブランチ運用やレビューの経験が評価されやすく、複数人での開発フローに馴染んでいることが前提になりがちです。加えて、チケット駆動での進行や、仕様の不明点を関係者とすり合わせるコミュニケーションも、必須要件として挙がりやすい傾向があります。
Objective-C案件であると有利な歓迎スキル
歓迎スキルとしては、Swiftへの移行やモダナイズの経験が挙がりやすく、Objective-CとSwiftの相互運用(移行設計や段階的な置き換え)に慣れていると強みになります。特に、大規模コードベースでの移行、依存関係の整理、ライブラリ管理の移行(例:CocoaPodsからSPM)に触れていると選択肢が広がります。
開発スタイル面では、スクラムなどアジャイル開発の経験、コードレビュー文化のあるチームでの改善経験が歓迎されやすいです。UI/UXを意識した設計・改善提案、パフォーマンス最適化、非同期処理設計への理解も、改善系のテーマが多い現場ではプラスに働きます。
ドメイン寄りでは、動画配信(AVPlayer等)やライブ配信、決済・金融、デバイス連携(BLEやWi-Fi、USBなど)、カメラ制御といった領域経験があると刺さることがあります。SDK開発案件では、広告SDKの開発・運用、技術サポート、英語ドキュメントの読解が歓迎要件として見られます。
Objective-C案件で評価されやすい実務経験
評価されやすいのは、既存アプリのエンハンスや保守改修を、コードを読み解きながら進めた経験です。Objective-C案件では「作り直し」より「直し続ける」比重が高いことが多く、影響範囲を見積もって安全に変更できる力や、回帰不具合を抑える進め方が問われます。
また、品質改善に直結する経験として、リファクタリング、技術的負債解消、アーキテクチャ改善(MVVMやClean Architecture等の考え方を取り入れる)を継続的に行った実績があると評価されやすいです。テストの整備やCIでの自動化を進めた経験も、運用フェーズの案件で強みになります。
加えて、上流寄りの動きとして、要件定義や仕様検討、PdM・デザイナーとのUI/UX検討、顧客MTG同席などの経験があると、担当範囲を広げやすくなります。リード経験やメンバー育成、オフショア成果物のレビューなど「チームの成果を底上げする役割」を担った経験も加点されやすい傾向です。
Objective-C案件でよく使われる開発環境
開発環境はXcodeとmacOSを前提に、iOS/iPadOS向けのUIKitベースが中心になりやすいです。コードベースはSwiftが主流になりつつも、Objective-Cが一部残る構成が多く、両言語が混在したプロジェクトに入る心構えが必要です。
ライブラリ周りではRxSwiftやCombineなどリアクティブ系、ネットワークや永続化の定番ライブラリ(例:Alamofire、Realm)を前提とする案件が見られます。Firebase(CrashlyticsやAnalytics)を使った運用・分析や、ログや監視基盤と連携して品質を見ていく体制も登場します。
開発プロセスではGitHub(Enterprise含む)でのソース管理、JIRAやBacklogなどのチケット管理、SlackやConfluenceでの情報共有がよく使われます。CIはCircleCIやBitrise、GitHub Actionsなどが選択肢として現れ、テストはXCTestをベースに自動化しているチームもあります。
Objective-C案件を選ぶときのチェックポイント
まず確認したいのは、Objective-Cの位置づけです。主言語がObjective-Cで改修が中心なのか、Swift主体で「一部Objective-Cを読む・直す」程度なのかで、求められる深さが変わります。移行案件なら、移行範囲(画面単位かモジュール単位か)と、相互呼び出しの設計方針が明確かを見ておくと安心です。
次に、担当範囲と工程を確認しましょう。詳細設計以降の実装中心か、要件定義や仕様調整まで任されるのか、テスト設計や回帰テストまで含むのかで、必要な時間配分が変わります。既存改修では障害対応や問い合わせ起点の調査が発生しやすいため、オンコール有無や運用分担も確認ポイントです。
最後に、チームの開発文化と品質の前提を見極めることが重要です。コードレビューの有無、CI/CDやテスト自動化の整備状況、チケット運用の粒度によって、参画後の動きやすさが大きく変わります。動画配信や金融などでは性能・セキュリティ要求が上がりやすいため、期待値を早めに合わせるとミスマッチを減らせます。
Objective-C案件の将来性・需要
iOS開発の中心がSwiftに移っている一方で、Objective-Cは既存資産として残り続けるため、改修・保守の現場で一定の需要が続きやすいスキルです。特に歴史の長いtoCアプリや、iPadを業務端末として使うプロダクトでは、Objective-Cコードを安全に扱える人材が求められやすい傾向があります。
加えて、単にObjective-Cが書けるだけでなく、Swift移行やライブラリ管理の整理、アーキテクチャ刷新、Strict Concurrency対応といったモダナイズに踏み込めると、市場価値が上がりやすいです。既存を理解しつつ、段階的に改善していく推進力が評価される場面が増えています。
また、SDK開発や広告・計測の領域では、iOSのOS更新に追随しながら互換性を守る仕事が継続的に発生します。アプリ本体に比べて影響範囲の切り分けが難しいことも多いため、調査力や品質へのこだわりを示せると、Objective-C経験がより強い武器になります。
Objective-C案件のよくある質問
Objective-Cしか経験がなく、Swiftが浅くても応募できますか?
Objective-C主軸の改修案件では応募可能なケースがありますが、Swift併用が前提の現場も多いため注意が必要です。Swift主体のプロジェクトで「Objective-Cを読める」ことが求められる場合もあるので、読み書きのどこまで対応できるかを職務経歴で明確にすると判断されやすくなります。
Objective-C案件は新規開発より保守改修が多いですか?
傾向としては、既存アプリの機能追加・改善、運用保守、リファクタリングが多く見られます。新規立ち上げでもObjective-Cが採用されるよりは、既存資産を前提にした継続開発の中でObjective-Cスキルが必要になるケースが中心です。
Objective-C案件でテストやCI/CDの経験は必要ですか?
必須ではない案件もありますが、XCTestでのテストやCI(CircleCI、Bitrise、GitHub Actions等)に触れた経験は歓迎されやすいです。特に品質改善や技術的負債解消がテーマの現場では、テストを前提に安全に改修できる力が評価につながります。
Objective-CからSwiftへの移行案件では何ができると強いですか?
単純な置き換えだけでなく、移行方針の設計、Bridging Headerを含む相互運用の理解、依存ライブラリの整理まで踏み込めると強みになります。加えて、CocoaPodsからSPMへの移行や、iPad向けUIKitの画面構成(Storyboard/XIB、WKWebView等)を前提に移行計画を立てられると評価されやすいです。

